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アカデミック・インテグリティとAIライティング:学生と重要な話し合いをする方法 | ターンイットイン

The Turnitin Team
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Karen Smith
Karen Smith
34-year veteran educator; Senior Teaching and Learning Specialist

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ターンイットインが提供するようなAIライティング検知機能のリリースに伴い、AIの不正利用が疑われる場合、 教員と学生の間で本質的な話し合いをもつ必要性がでてきました。そのような話し合いがどれほど有意義なものになるかは、課題および試験の実施前、 実施中、および実施後に学生と十分なコミュニケーションを取れているかが影響してきます。

AIが教育の流れを変えるゲームチェンジャーであることは間違いありません。とは言え、教員と学生間の対話については、 多くの重要な観点において、当初予想されたほどの大きな変化はないでしょう。今回は、中等教育機関のベテラン教員の視点から 「教員と学生にとって、何が正しく、何が役に立つのか」ということについての見解を紹介します。

冷静な視点で、AIの不正利用が心配される学生に対応する方法について、詳しく考えてみましょう。

AIライティングを検知する方法はあるのか?

教員自らの洞察に加えて、ターンイットインのAIライティング検知機能を活用して疑わしい箇所を特定することで、 学生の独自の成果物作成をサポートできます。しかし、こうしたAIライティング検知ツールが普及するにつれて、 教員と学生の間のコミュニケーションと透明性がますます重要になってきます。配慮を要する対話を続けるためには信頼関係を築くことが必須です。 学生からの不満や自己弁護を必ずしも回避できるわけではありませんが、学生が「見つかった!」と驚くことがないよう、 次のような最初のステップが肝心です。


ステップ1:ターンイットインのAIライティング検知機能について学び、 学生の成果物にどのように適用されるかを学生と共有する

AIライティング指数が何を意味するのかを教員が理解することがもっとも重要です。 現段階では、学生はこのAIスコアを見ることができないため、教員がそのスコアの意味を理解し、 効果的で有意義な対話を進めるためにどうすれば良いのかを学んでおく必要があります。AIライティング指数は、 文章全体のなかでAIライティングツールが生成した可能性のある箇所を特定し、パーセンテージで示したものです。 教員はスコアとハイライト箇所を確認し、AIが利用された可能性について考えることができます。AIライティング指数は、 それだけでアカデミック・インテグリティを測るものではなく、教員が判断材料として活用するものであることにご留意ください。

  1. 学生向けの「AIを倫理的に活用するためのチェックリスト (英語)」を活用すると、学生自身が学術不正(疑われる行為も含めて)を避ける方法に注意を払うことができます。チェックリストの 「課題の前および課題の最中に気をつけること」のそれぞれの項目について話し合い、実際の課題と関わりの高い項目を指導しましょう。課題後は、 チェックリストの後半を用いて振り返りをするよう伝えてください。課題提出後の個人面談でチェックリストの項目を使うこともできます。
  2. 類似性スコアと同様に、 AIライティング指数にも「正しい」または「目標」とされるスコアがあるわけではないと理解しておくことも重要です。 指導の主導権は学生と直接関わる教員が握っており、教員こそ、学生や課題に関する深い理解に基づいて、 この手の配慮を要する判断をするのに適任です。たとえば、授業の活動でイントロダクションとなる文章を作成したとき、 文章作成の取っ掛かりとしてAIツールを利用してたかなど確認できます。 教員はAIライティング検知機能のレポートを見る際の留意点として、AIの認められた使用と不正利用の違いを認識しておくが必要です。 また、学術不正を疑われないためにAI生成文章を引用する方法など、特定の対処法を指導することもできます。

AIライティング検知機能を活用する際に、誤検知の可能性が低いとは言え、 万が一誤検知が発生した場合は、「AIライティングについての対話:誤検知に備える(教員向け)」を参照ください。課題提出後、 誤検知に対応するためのヒントを紹介しています。

課題成果物でAIが検知された場合はどうするのか?

生成AIの使用が検知されても、教員がターンイットインのAIライティング検知機能について学び、 その機能がどのように使用されるのかを学生に伝えていれば、すでに基礎は築いています。重要な対話をするための準備と実践に向けた、 次のステップです。

ステップ2:AIの不正利用が疑われたら、学生の成果物を収集する。

学生独自の声や文章スタイルを明確に示す過去の原稿などの成果物を収集することが重要です。それらの情報をもとに教員は、 そこに学生独自のパターンがあるか、今後の対話や解決策に役立つ全体像があるかを判断します。成果物を収集したら、 次の質問について考えてみてください。

  1. 文章スタイルが他の課題と異なっているか?
  2. 学生の声が(主張が)他の提出物と異なっているか?
  3. AIでは再現できないような、授業での議論や個人的な言及が含まれているか?
  4. 出典が記載されているか?引用は情報の裏付けとして適切か?

AIライティング検知機能でハイライト表示された箇所を活用すると、具体的なデータをもって不正行為の疑いを学生に示すことができます。 ハイライト箇所を提示し、学生自身を責めるのではなく、学生の行為を指摘することで、学生が自己弁護に走ることを回避できるでしょう。 すぐに使えるデータを用意することで、次のステップに向けてより適切な判断ができます。

ステップ3:解決策と学生の支援を重視する。

なぜ、どのようにして学生が生成AIツールの作成した文章を自分の成果として提出するようになったのかを考えましょう。 原因と背景を考えることで、実際の話し合いの前に必要な情報やリソースをまとめて、解決策を提案できるでしょう。

  1. 特定のセクションだけの書き直しが必要か?あるいはすべて書き直す必要があるか?
  2. 引用に関して、配付資料やサイトへのリンクだけで十分か?それとも個別の指導が必要か?
  3. 直接引用の仕方について指導が必要か?言い換えは必要か?
  4. クラスメイトやチューター、教員による定期確認の予定の設定が必要か?

いくつかの解決策を考えておくことも重要ですが、「解決」する前に、学生の意見に耳を傾けることも同様に大切です。多くの場合、共同的な対話をもつことで長期的な効果が見込めます。

ステップ4:教員と学生の両方の立場から、特定の文章に焦点を当てた話し合いを始める。

特定の成果物、リソースを用いて、問題のあるAI利用を解決するための方策を提案しましょう。また、 非生産的な思い込みに陥らないように話し合いを進めましょう。

ライティング過程と、最初に疑義が発生した箇所に焦点を当てた明確な対話を心がけることで、話し合いが横道にそれることなく、 この種の会話の邪魔をする感情や自己弁護を回避することができます。AIの使用に関して、 学生がくだした判断を学生自身に説明してもらいましょう。また、プロセスを明らかにするために、判断材料の共有を求めるといいでしょう。

疑わしい成果物に対する教員側の証拠
文章作成時の判断を裏付ける学生側の証拠
文章スタイルが過去の成果物と一致していないように見える
文章のアウトライン計画
学生の主張が過去の成果物と一致していない、あるいは不明確である
Feedback Studioで提出した複数の下書き
提出物に個性が見られず、文体が一般的である
クラスメイトや自分が推敲を行ったことが分かる下書き
いくつかのアイデアについて出典が書かれていない
課題を完成させるために使用した情報源のリスト
AIライティング検知機能のスコア

このような話し合いを持つことが、引用方法や文章に学生の声を反映する方法を指導する機会につながるかもしれません。あるいは、 学生がより適切な情報源を見つけられるよう、教員が支援できるかもしれません。オープンな対話により、 教員はなぜ学生がそのような行為に及んだのかを理解し、学びを支えることができるようになります。

ステップ5:学生の成果物について次のステップを提案し、学びにつなげる。

学生が課題を再提出する前に何をすべきかについて、教員が明確な指示を与えることがもっとも重要です。どのような解決策であれ(部分的・ 全体的な書き直しや、参考文献の提出など)、話し合いにより決めた解決策を実行するためには、 スケジュールを立てて面談を実施することが必要かもしれません。期待値を明確に示し、学生が前に進むためにどのような支援が必要なのか、 学生自身が自分の考えを自由に言えるよう、柔軟に対応しましょう。

AI不正利用対策ルーブリック」 を活用して、ライティング課題を作成する際に、課題の指示文を見直し、 学生によるAIライティングツールの使用に対して起こりうる問題点を確認したり、 指示文にそのような問題がないか事前確認を行うことで生成AIの不正利用のリスクを事前に抑えることができます。また、学生向けの「AIライティングについての対話: 誤検知に備える【学生向け】」を参考にしてAIライティング検知で誤検知が起きた場合に備えて、 課題提出の前後で学生にできる取り組みを事前に紹介しておくことも良いでしょう。

誰もが生成AIツールを使えるようになったことで、教育の状況も一変するでしょう。すでに変化が始まっているところもあります。 教員がこのようなオープンな話し合いのを学生ともつことが、思考力と文章力を備えた熱心な学習者を育てていくための、 積極的な前進につながります。