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アクティブ・ラーニングとは何か | ターンイットイン

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Christine Lee
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アクティブ・ラーニングとは?

継続的に学習を深められる「自律的な学習者」を育てることは、教育者にとって重要な目標のひとつです。

アクティブ・ラーニング(オーセンティック・ラーニングとも言う)とは、スティーブ・ リヴィングトンによると、「実生活に根ざした学習を意味し、現実的で役に立つ、質の高い成果(物)をつくりあげ、 実生活で活用できるようにする学習スタイル」のことです。

アクティブ・ラーニングは、指導内容を、現実社会の課題や問題と結びつけることで授業内容が学生の身近なものになり、 学生は情報を即座に記憶し、その知識を現実の生活にあてはめて考えることができます。かれらの意見を重視した、学生中心型の授業となります。

そのため、学生を意味のある活動に取り組ませ、学習内容について積極的に考えさせることが求められます。 教員の言ったことを学生が暗記して繰り返すような、教員主導の受動的な授業とは正反対です。そのなかで、頻繁なローステイクス・ テストや建設的なフィードバック、教員と学生の信頼関係に基づいた学習評価を実施することで、学生の学びを支えます。

なぜ アクティブ・ラーニングが必要なのか?

リヴィングトンは次のように述べています。「席についてノートをとり、教えられたことを繰り返す学生は、自分たちの能力の、 ごくわずかしか使わない。一般的に言って、かれらが学んでいるのは、教員のもとで静かに座って順番に応答し、指示に従い、 テストを仕上げることだ。教えられる内容が身近でないために個人的な興味や目標をもてず、体験的な学習も伴わない内容中心型のカリキュラムでは、 学生はテストが終わるとすぐに学習内容を忘れてしまう」

そのような模倣を中心とした学習スタイルは、長らく伝統的な教授法とされてきましたが、 脱工業化社会を生きる学生を育てるのに適しているとは言えません。2018年にQUARTZに掲載された記事のなかで、アリソン・ シュラガーは次のように述べています。「工場の所有者は、従順で人当たりがよく、時間通りに出勤し、上司の指示に従う労働者を求めた。一日中、 教室で教師の指示に従って席に座っていることは、そのためのよい訓練となっていた。初期の実業家たちの尽力により、 そのような教育が幅広く普及した。脱工業化の新しい時代をむかえる現代においては、 従来の教育がいかに工場労働に適応するよう発展してきたかを振り返り、そのモデルが現代にも通用するかを見直すことが重要だ」

また、2013年の研究でも次のように示されています。「教育界では、創造力や批判的思考力、課題解決能力など、 高次の思考力に重点が置かれるようになってきた。最近の大卒者は、コミュニケーション能力や課題解決能力など、 社会で必要とされる卓越した能力に欠けることを指摘する研究もある。雇用者が従業員を採用するときに最も重視する能力は、 チームワークや批判的思考力、コミュニケーション能力、革新的な思考力などである。しかし多くの大学において、 いまだ旧来型の教授方法が採用されている。とりわけ、学習内容について批判的な見方を排して丸暗記するよう教えられる場合、 学生の学びは受動的なものとなりやすい。複雑な労働社会に適応できる学生を育てるために、オーセンティック・ラーニングの必要性が叫ばれている」 (Ju, Mai, et al.)

なぜ アクティブ・ラーニングが重要なのか?

教育とは、ホーレス・マンによると、「すべての人を平等にするもの」です。世界が変わり、いま求められる人材とは、 自分なりの考えを伝えられる能力をもった学生であると言えるでしょう。「オーセンティック・ラーニングの重要な特徴のひとつは、 ひとつの課題に対して、答えはひとつだけでなく、さまざまな学習成果や解決策の可能性があることだ。これにより学生は自由に考えて疑問がもてる」 (Stenger, 2018)

さらに、アクティブ・ラーニングは、内発的動機付けにもつながります。内発的動機付けとは、その活動自体に満足感を見いだして、 自発的にモチベーションを保てる状態を指します。他方、外発的動機付けとは、外部に報酬を求めたり、 懲罰を避けたりすることでやる気が引き出される状態を指します。教育者の目標のひとつに、学習者が学習自体に価値を見いだし、 学びへの肯定的な態度をもてるようにすることがあります。そのような内発的動機付けを生じさせるのに、アクティブ・ラーニングが欠かせません。

The Hechinger Reportに寄稿した記事のなかで、タラ・ガルシア・ マシューソンは「内発的動機付けには、学生の興味を引き起こし、その興味を持続させる効果が期待できる。効果はそれだけにとどまらない。 そのように動機付けされた学生は、より大きな学習成果を得られるのだ。かれらはより多くの努力をし、より難しい課題に挑戦し、その結果、 学習内容をより深く理解するようになる」と述べています。身近な課題解決を通した学習により、 「答えがひとつに限られない課題に取り組み、継続的に努力する。かれらは何をどのように学ぶかの決定権をもち、 ポートフォリオや具体的な成果物の形で自分の学習成果を見せる。自分で学習目標を設定し、成績よりも学習プロセスに集中するようになる」のです。

アクティブ・ラーニングのために教員ができること
  1. 学生のロールモデルとなり、学びへの情熱を示す。学生自身の経験や知識について、授業で話題にしたり、提出物として書いたりして、 全体で共有しましょう。学生の授業への帰属意識を育てることにつながります。
  2. 教材が役に立つことを具体的に示す。その学習活動に取り組む意義を伝えましょう。
  3. それぞれの学習課題の期待値を示す。ルーブリックを示したり、学生と一緒にルーブリックを作ったりしましょう。
  4. 建設的なフィードバックを早い段階で頻繁に実施し、 学生が次にどのような学習ステップを踏むべきか伝える。肯定的なフィードバックも実施しましょう。
  5. ローステイクス・テストを頻繁に実施する。学生が失敗を恐れず、 間違いから学ぶことのできる環境を整えましょう。
  6. 公正な学習評価を保持する。どの学生も高水準の成績を期待できるよう、相対評価を避けましょう。
  7. 学習の主導権を学生に与える。学生が自分自身でトピックや読むべき資料を選ぶ機会を与え、多様な学習評価を実施しましょう。学生が自分の学力を示す手段を選べるようにしましょう。
まとめ

発展し続ける社会のなかで、教育者は教え子のために最高の教育成果を出したいと思っています。アクティブ・ ラーニングは学生のニーズを中心に据えることで、独自の思考や独創的なアイデアを生み出し、学習全体をサポートするものです。 教育がより良い変化をもたらす基盤であるならば、それを支える教育方法は、私たちが理想とする世界を模範とすべきでしょう。