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数学教員が検証、課題採点におけるGradescopeの優位性 | ターンイットイン

数学教員としてご活躍されるターンイットイン・ジャパンのアカデミック・アドバイザー濱本氏の実践から学ぶ

The Turnitin Team
The Turnitin Team
濱本 久二雄 氏
濱本 久二雄 氏
Turnitin Japan アカデミック・アドバイザー

近年のDX推進の潮流は、教育界においても広がりを見せていますが、「デジタル機器に使い慣れていないため、ついていけない」「デジタル化への不安」などの理由から、前向きに捉えることが難しい教育者の方も多いかと思います。特に教育活動の中でも、教員にとって特に負担が大きい採点業務は、デジタル化することで効率化を図れますが、手書きの採点方法を変更することに前向きになれないという意見も多いのではないでしょうか。
デジタル採点を導入し、課題の採点・添削・返却を効率化することで、教員は学生の理解の度合をこれまで以上に把握できるようになり、講義内容を適宜変更する等の調整が容易になるメリットがあります。また、学生は、提出課題の返却が早まることで、より記憶が鮮明なうちに講義内容に対する理解を振り返ることができ、学習への動機づけを維持できるメリットがあります。この一連の流れが、学生の学習成果の最大化に寄与します。
課題採点をデジタル化することの有用性について、現場視点の考察を得るため、現在も数学教員としてご活躍されるターンイットイン・ジャパン アカデミック・アドバイザー 濱本 久二雄氏に当社のデジタル採点ツールGradescopeをお試しいただく機会を設けました。
Gradescopeを初めて利用される濱本氏には、当社のトレーニング担当チームによるトレーニング(Zoom)を受けていただきました。その後、濱本氏が作成された数学課題を使用し、デジタル採点の一連の流れをご体験いただきました。トレーニング後に生じた不明点については、製品マニュアルをご使用いただいた他、当社にご質問いただきました。


数学課題の採点における改善すべき問題点


まずは、関西大学理工学教育開発センター特別任用教授や追手門学院大学、関西大学にて非常勤講師などを歴任されてきた濱本氏に、数学の課題採点における改善すべき問題点についてお伺いしました。


濱本氏:数学課題において採点作業の負担軽減だけを考慮すれば、簡単に採点ができ、時間もかからないマークシート方式の試験が良いとされますが、それでは学生が問題に対してどのようなアプローチをし、論理展開や計算をして、解答に到達したのかが全く把握できないという難点があります。
しかしながら、記述式で数学課題を出題すると、採点に時間がかかってしまい、学生への返却が先延ばしになってしまうという問題が生じます。返却期間が延びてしまうことにより、学生は自分の習熟度や計算間違いを把握することが遅くなり、誤った理解をきちんと正す間もなく講義が進行してしまいます。その結果、課題提出と採点・返却の教育的効果が半減してしまうため、改善が必要であると考えていました。


採点業務において、具体的にはどのような場面に悩まされますか?


濱本氏:採点やフィードバックを手書きで行う際、(特に学生数が50人を超える大規模授業の場合などに)、同じコメントを何度も繰り返して書かねばならず、手間がかかってしまうことが悩みです。また、PDFファイルなどで送られてきた課題の採点・添削をして、一人ずつ個別に得点とフィードバックをメール等で返却する場合にも、膨大な時間を要します。また、手書きで採点した場合、全ての回答用紙をコピーして保管しておくことが大変なため、学生への返却後に採点に対する問い合わせを受けた場合、対応するのが困難な場合が起こり得るという現実があります。
部分点を予め決めておいたとしても、採点途中で予想外の回答が出てくる場合があります。そのような部分点を変更する際は、それまでの答案を全てもう一度見直す必要が生じるので、柔軟な対応が難しいことも悩みです。


採点業務と学習評価におけるGradescopeの有効性


作業負担における効率化および公平性・一貫性の担保という観点から、Gradescopeが有効であると濱本氏が実感されたポイントをご紹介します。


  • コメント機能を上手に活かす
    記述式の数学課題に対して、教員が学生の答案を読んで採点をするという点では、オンライン採点でも基本的に行うことは変わらないが、添削時に同類の間違いに対するコメントはすでに作成したものを繰り返し利用できるため(クリックするだけ)ため、コメント機能を使いこなせば、採点する答案の枚数が多くなるほど劇的に効率が上がる。また、コメント欄に数式を書く必要が生じた場合にも、TeXで美しい数式を書けることは、Texに慣れている数学教員にとっては、とても便利な機能である。
  • 自動集計・メールでの一斉返却
採点途中で点数の修正や部分点を追加した場合、一つの解答の点数を修正すれば、全ての回答に点数の修正が自動反映されるため、一から答案を見直す必要がなくなる。それに加えて、合計点は自動集計されるので、小問の得点集計の時間が不要。また、採点結果をメールで一斉に返却可能なので、学生の課題に対する採点・添削・集計にかかる時間を40パーセント程度(濱本氏の実体験に基づく見解)削減が実現できた。

  • 一貫性の担保
同一の基準で採点し、部分点もきちんと採点できるので、公正な採点および一貫性が担保できる点が有効。学生から採点に疑義があった場合の対応も容易。
  • 記録の保存と管理
採点・添削の記録を全てクラウド上に保管できるため、過去の傾向も把握でき、教員が各学生の理解や学力を把握するのが容易。記録をしっかりと管理することにより、講義科目の成績評価を、客観的で公正・公平なものにすることができる。


講義の活性化や学力向上など、教育面におけるGradescopeの有効性

上記のような採点業務と学術評価の有効性だけではなく、教育効果の最大化において、濱本氏が有効であると実感されたポイントもご紹介します。

  • 素早い返却で実現する学生の学習状況や理解度の把握
課題の採点・添削・返却を素早く行うことにより、学生の理解の度合を従来よりも短時間で教員が知ることができるので、以後の講義に反映させることが可能になる。また、学生の立場から見ても、課題の素早い返却は、講義内容を正しく理解することや以後の学習に対する動機づけになるので、とても望ましい。この一連の流れが、学生の学力向上にも寄与するので重要。


  • 学生と教員の双方向のやり取りを実現
    オンラインで課題の採点・添削・返却の流れが確立できるため、教員は各学生の学習状況をデータとして可視化し、把握できる。課題の返却が早まることで学生は自分が理解できていない点を把握しやすくなり、教員へ質問する等コミュニケーションが取りやすい学習環境が整う。教員と学生間の意思疎通が円滑化することで、講義の活性化や双方向の授業展開の発展に繋がる。


まとめ

最後にGradescopeの使用を検討されている教員の方々に向けて一言いただきました。
濱本氏:デジタル採点ツール等の活用に二の足を踏んでいる教育者の方も多いかと思いますが、Turnitin Japanのトレーニング担当チームによるZoomでの丁寧なトレーニングでGradescopeの基本的な利用法について、短時間でマスターすることができました。また、日本語マニュアルが製品機能への理解を深めることに役立ちました。
Gradescopeを採点のワークフローに導入することで、学生の理解状況をこれまで以上に把握できるようになり、適切なコメントを返せるようになります。その結果、学生と教員間のコミュニケーションが活発化し、学生の学習意欲と学力の向上にGradescopeは貢献すると思います。Gradescopeの利用を検討されている教員のみなさん、ぜひ実際に使用してみることをお勧めします。

【参考情報】

数学の課題採点におけるGradescope活用手順

実際に濱本氏がGradescopeで数学の課題を採点した際の手順をご紹介します。

1. 受講学生のID、氏名(英語表記)、メールemailアドレスを記入した一覧表を CSVファイルで作成する。

2. 白紙の課題用紙を用意し、学生のID領域、氏名領域、および各問の領域を指定してGradescope上に取り込む。

    3. 学生の提出課題を一クラスごと、スキャンして取り込み、各個人ごとに分類し、各個人の課題について、IDと名前を確認する。

    4. 設問ごとに点を決めて採点する。その際に、採点基準とコメントは採点を進めると同時に作成する。部分点の変更が必要になった場合は、対応する変更を行うと、過去に遡って、Gradescopeが変更を反映してくれる。

    5. 採点後、各設問ごとの得点を集計し、各個人の得点を確認する。

    6. 採点後のフィードバックは、各個人に割り当てられた大学のメールアドレス宛に一斉に行う。

アカデミック・アドバイザー:濱本 久二雄 氏


【略歴】1953年石川県生まれ。静岡大学大学院理学研究科修了(数学専攻)大阪大学大学院理学研究科後期博士課程単位取得退学(数学専攻)長年に渡り大阪府立高校で教鞭を取る。その後、関西大学理工学教育開発センター特別任用教授追手門学院大学、関西大学非常勤講師などを歴任。現在も、数学教育の改革と学生の学力向上のために情熱を注いでいる。2023年ターンイットイン・ジャパン アカデミック・アドバイザー就任