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「コピペ」文化とアカデミック・インテグリティ | ターンイットイン

剽窃行為をより身近なものと捉え、剽窃行為が誤りである理由について話し合う

The Turnitin Team
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不正行為や剽窃行為に対する厳格なガイドラインを設定することは、学生の倫理観を育み、アカデミック・ インテグリティを遵守する習慣を生み出します。剽窃行為は学術界だけの問題ではなく、社会全体が高い関心を寄せています。

コピー&ペースト文化を象徴するようなニュースは、教育者にとって頭痛の種と言えるでしょう。 富や権力を持つ者が剽窃行為を行っていることから、剽窃行為は許容されるものであり、 よくあることで大した問題ではないという誤った印象を与えかねないからです。

責任が追及されない剽窃行為が多く報じられる中、そうした行為について学生に指導を行うことは、負け戦に挑むような気分になるものです。 やり切れない思いも募ることとは思いますが、アカデミック・インテグリティについて学生と対話する絶好の機会かもしれません。 剽窃行為をより身近なものと捉え、そうした行為が誤りである理由について話し合うきっかけになるでしょう。 ここでは話し合いのポイントを押さえておきます。


剽窃行為がどのように明らかになったのかを議論する

数々の報道に共通しているのは、最終的に剽窃行為は明るみに出るということです。それは数週間後なのか、あるいは数ヶ月後、 数十年後かもしれませんが、盗作は必ず明らかになるのです。

学生が誤解しがちなのは、課題を提出して教員のチェックが終われば、剽窃行為から逃れられるという思い込みです。しかし、 剽窃行為はほぼ例外なく発覚するものです。学生時代の剽窃行為が発見され、学位のみならず職を失うことになった例は決して少なくありません。

剽窃行為について考える場合に大切なのは、その結果だけではなく、その行為すべてにあると言えるでしょう。 剽窃行為からは逃れられないことを理解すれば、非倫理的な近道を選ぶ誘惑にかられることはないでしょう。


剽窃行為の内容について話し合う

関連書籍を読めば、剽窃行為にあたる例文や、あたらない例文を確認できますが、実際にはもっと理解を深める必要があるでしょう。

ニュースで報じられる剽窃行為は、実例から学ぶ機会です。具体的にどのような行為が行われたのかを調べてみましょう。 「これは剽窃行為にあたるのか?」「その理由は?」「たまたま内容が一致しただけではないのか?」といった点について、 学生と一緒に話し合いましょう。

また、剽窃の疑いがあるケースについて掘り下げれば、この問題に対する理解を一層深めることができるでしょう。 剽窃行為から逃れようとする思考から、それを見つけようとする思考へとシフトできるからです。

あまり違いはないように思われるかもしれませんが、 剽窃行為に関しては教員が何を求めているのか分からないという声が多くの学生から寄せられています。 剽窃の疑いがあるケースを学生に調べさせることで、普段とは逆の立場から理解を深めることができます。


剽窃行為がもたらす当然の結果について話し合う

まだ若い学生ですら、現実と理想は時に一致せず、当然負うべき責任から逃れる例があることを知っています。しかし、 剽窃行為の実例を題材にして事後の影響について話し合うことは大切です。

ある小説家に剽窃の疑いがかけられたとします。出版社はどのような行動を取るべきでしょうか。出版物の回収、小説家との契約解除、 該当箇所を修正した上での再出版でしょうか。剽窃行為の性質にもよりますが、各人の剽窃行為に対する見解が異なれば、 様々な意見が出されるでしょう。

こうした議論を深めることで、剽窃行為の複雑性を理解させるのみならず、 学生がこの問題をどれほど真剣に捉えているかを確認することができます。

また、「もしこれがクラスメイトの課題だったらどう思うか」「もしこれが〇〇ではなかったら、どのように対応すべきだろうか」等、 複数の仮説を立てて議論をすることで、理解の幅が広がるでしょう。

さらに、著作権と剽窃行為についても話し合いましょう。社会に出てから剽窃行為をすると、 著作権の侵害という大問題を引き起こすということを、学生の段階から理解しておくべきです。こうした行為は芸術、映画、文学、 音楽等の分野で特に起こりやすく、キャリアに重大な影響を及ぼすだけでなく、法的にも窮地に立たされるリスクがあります。

剽窃行為の長期的な影響について考えさせるための方法をご紹介します。学生時代に友人の課題をコピーしてばかりいたために、 仕事で成果を上げることのできない若者を例に取り上げるのです。そのような若者はこの先どのような人生を歩むでしょうか。 剽窃行為に手を染めないということは、自身の能力を磨き、キャリアを築くことでもあると分かるでしょう。


誠実な社会人を輩出する

剽窃行為を報じるニュースを取り扱うことに抵抗を感じる教育者もいることでしょう。著名人が関わっている場合は、 剽窃行為自体に対する取扱いが不十分になる傾向はあるものの、剽窃行為に対する理解を深めることができるはずです。 実際の剽窃行為を取り上げることで、学生の関心を高めるだけでなく、より広範な理解を深めることができます。

結局のところ剽窃行為というものは、その後の人生においても何らかの形で関わることになる可能性が高いのです。学生の倫理観を育むことは、 誠実な社会人を輩出することでもあります。ビジネス、商業、公共サービスの領域において、医療従事者、エンジニア、 技術者といった様々な役割を担うことになるからです。

他者の論文に触れる際は引用とし、あたかも自分の考えのように見せないよう指導することで、 学業における倫理観を育むことが非常に大切です。文献を読み、引用し、参考文献をきちんと示すということは、 学生がよって立つべき倫理観を備えているということを意味します。言うなれば、剽窃行為に対峙するということは、「不正行為」 の防止にとどまらないのです。学生がどのような職業を選んだとしても、その分野において活躍するためのスキルと知恵を育むことに他なりません。