研究者、出版社、大学等、研究における実践の変化と競争の激化に対応するなか、研究公正はどのように進化しているのでしょうか?
最近の変化としては、新型コロナウイルスの世界的な脅威に対して、研究コミュニティが初めて結束し、組織や国境を越えて共同研究を行い、 研究成果を共有したことが挙げられます。それは、情報入手の簡便さや透明性、研究のスピードに関して、ひとつの転換点でした。また、 大学においても研究成果のインパクトを向上し、国内外からの評価を得るために、共同研究と研究の商業化が進んでいることが、 重大な課題となっています。
変化が進む反面、データ収集から論文執筆、研究のオーサーシップ問題まで、研究のプロセスにおいて、 故意または不注意による研究不正のリスクも高まっています。
このeBookでは、アジア太平洋地域に焦点をあて、責任ある研究活動について、研究業界における議論や動向を探ります。 研究公正とは共同的な取り組みであり、集団的な対応が必要であることを認識したうえで、強い研究コミュニティづくりに欠かせない、 個々の研究者の注意義務と価値観といった要因も解明していきます。
- 責任ある研究活動を実現するための早期教育の必要
- 共同研究の推進に向けて研究公正を標準化する
- 大学における学術研究の商業化に関する課題
- 研究論文の執筆過程における公正さ確保のための方法について
- 研究不正のリスク軽減と偽ジャーナルやハゲタカジャーナルの回避策