アカデミック・インテグリティ(学問と研究における誠実さ・健全性)の推進を牽引し、 採点や評価のオンライン学術支援ツールを提供するターンイットイン(Turnitin)は、科学技術・ イノベーション基本計画の中核的な役割を担う国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)との間で、パートナーシップを締結します。
このパートナーシップの目的は、包括的な日本語で書かれた学術コンテンツのデータベースを学術界と研究コミュニティに提供し、 意図せぬ剽窃を未然に防ぎ、独自性、オーサーシップを確保することです。新たにターンイットインのデータベースと連携されるのは、 日本における永続的識別子(DOI)の登録機関であり、JSTが事務局を務めるジャパンリンクセンター (JaLC)のコンテンツです。これにはJSTが運営する電子ジャーナルプラットフォームJ-STAGEのコンテンツが含まれます。
ターンイットインのデータベースは、世界有数の学術出版社の8,200万件を超える学術論文、学位論文、 修士論文との類似度を判定することで、研究者や学術出版社による意図せぬ剽窃や盗用の可能性を未然に防ぎます。
今回のパートナーシップによって、ターンイットインの学術データベースに連携されるJaLC と J-STAGEのコンテンツには、 以下のものが含まれます。1. 剽窃チェックサービスの利用を希望するJaLC会員機関が、JaLCを通してDOIを登録したコンテンツ。2. JaLCを通してDOI登録されたJ-STAGE登載コンテンツ全件。2021年12月末時点で、約260万件。
ターンイットインの北東アジア地域 リージョナル・ディレクターである松永ベッツィー(Betsy Matsunaga)は、 次のように述べています。「ターンイットインは国内の学術機関からの需要の高まりに対応するため、2020年8月に日本法人を立ち上げ、 日本市場へ本格参入しています。今回の科学技術振興機構とのパートナーシップ 締結は、国内の研究・ 教育現場における誠実さや健全性を担保するための具体的な取り組みを模範的に示しています。科学技術振興機構とのパートナーシップを通じて、 国内における研究公正の更なる推進に貢献できることを喜ばしく思います。」
ジャパンリンクセンター 運営委員会 中島律子副委員長は、次のように述べています。 「これまでジャパンリンクセンター会員機関をはじめとした国内学術機関において、特に和文コンテンツに対する剽窃チェックの利用を望む声が多く、 対応が必要と考えていました。今回のパートナーシップ締結によって、 ジャパンリンクセンター会員機関に対し剽窃チェックサービスを提供できることを非常に喜ばしく思います。この取り組みが、国内におけるリサーチ・ インテグリティ(研究における公正性、誠実さ、高潔さ)の向上および日本から発信される学術コンテンツ流通の促進につながることを期待します。」
Japan Link Centerについて
Japan Link Center (JaLC) は、国内の各機関が保有する電子的学術コンテンツ(雑誌論文、学位論文、書籍 (報告書)、研究データ、e-learning等)の書誌情報・所在情報を一元的に管理し、DOIを登録するシステムです。 2012年3月15日に DOI財団 (DOI Foundation) から、世界で第9番目(日本では唯一) のDOI登録機関に認定されました。 国立研究開発法人 科学技術振興機構 (JST)、 国立研究開発法人 物質・材料研究機構 (NIMS)、 大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構国立情報学研究所 (NII)、 国立国会図書館 (NDL) が共同で運営しています。
Japan Link Center公式サイト:https://japanlinkcenter.org/top/index.html
科学技術振興機構について
JST(国立研究開発法人 科学技術振興機構)は、科学技術基本計画の中核的な役割を担う機関です。国から示される目標に基づき、 科学技術に関する基礎研究、基盤的研究開発、新技術の企業化支援、科学技術情報の流通、また近年では国際共同研究の推進や次世代人材の育成など、 科学技術の振興と社会的課題の解決のために、さまざまな事業を総合的に実施しています。科学技術情報の流通の一環として、 電子ジャーナルプラットフォーム「J-STAGE」の運営や、国内DOI登録機関「ジャパンリンクセンター(JaLC)」 の事務局を担っています。
JST公式サイト:https://www.jst.go.jp/